プロジェクトマネージャ(IT)の仕事内容・給料レポート

はじめに

「プロジェクトマネージャ(IT)」として働く男性(性別を入れる)のキャリアレポートです。

レポート者のプロフィール
性別:男性
勤務地:千葉県
職業・職種:プロジェクトマネージャ(IT)
雇用契約形態:正社員
所有資格:特に必須の資格はありませんが、以下の資格は実際に業務に役立っています。

応用情報技術者試験
Red Hat Certified Engineer
TOEIC 900点

この職業を目指した理由を教えてください。

大学時代にプログラミングの面白さに開眼し、世の中のものをシステムやソフトウェアにしてコンピュータで動かしたい、という強い思いが芽生えたためです。

仕事内容について詳しく教えてください。

プロジェクトマネージャ(IT)は、主に、システムやソフトウェアの開発プロジェクトを管理する仕事を行います。具体的には、プロジェクトの責任者として、実行計画の作成、予算の管理、要員の管理、作業の進捗管理などを行います。

プロジェクトの開始時には、開発内容、開発スケジュール、開発に必要な予算、開発作業への要員のアサインなどの実行計画を作成します。プロジェクトの実施中は、ほぼ毎日のように進捗打ち合わせを行い、計画との乖離を確認します。また、要員のアサインは、社内だけでまかなうこともありますが、多くは、子会社やソフトハウスに発注して増員してプロジェクトを形成します。

以上が主な作業ですが、実際には、プロジェクトの規模や性質によって異なり、マネジメントだけやっていればいいというケースはごくまれです。私の場合は、ソフトウェア開発の小規模プロジェクトだったため、ビジネスプランの作成、損益の管理といった事業に関わるところから、実際の物作りをするプログラミングやテストまで、正にビジネス全般の業務に携わることになりました。また、海外で販売・開発を行っていたため、英語によるコミュニケーションが多かったのも他にない特徴です。

よくある1日の仕事の流れについて詳しく教えてください。

7時〜8時:<自宅>起床、朝食、シャワー、準備
8時〜9時:<自宅→職場>電車・バスで移動
9時〜9時半:<職場>始業、メール、一日の作業計画
9時半〜10時:<職場>国内メンバー進捗打ち合わせ
10時〜12時:<職場>顧客提案資料作成
12時〜13時:<職場>お昼休憩、昼食
13時〜16時:<職場>複数顧客との打ち合わせ(リモート)
16時〜17時:<職場>海外メンバー進捗打ち合わせ
17時〜17時半:<職場>メール、議事メモ作成
17時半〜18時:<職場>夕方休憩
18時〜20時:<職場>ソフトウェア開発作業、終業
20時〜21時:<職場→自宅>電車・バスで移動
21時〜22時:<自宅>夕食、入浴
22時〜24時:<自宅>読書、筋トレ、ネットサーフィンなど
24時〜7時:<自宅>就寝、睡眠

給料・残業・有給休暇について教えてください。

給料は、月給55万円(残業代込)、ボーナス200万円、年収860万円でした。
残業は、1日平均1時間半〜2時間で、月平均20時間〜30時間でした。年々減少傾向にあり、30時間を超えることはまれでした。
有給休暇:年間20日支給され、年平均16〜18日消化していました。事前申請すれば原則休暇取得できる、恵まれた環境でした。

働いているときに困ったこと・気になったことや改善したかったことを教えてください。

開発の一部を海外の子会社に発注していたため、意思の疎通が非常に難しかったです。英語を話せれば良いというだけではなく、相手の国の考え方、文化、宗教まで考えた上で対応する必要があり、本業以外のところで多々苦労しました。一例を挙げると、その発注先の国では、法律で「使用者は従業員に最低2週間連続の休暇を年に一度取らせること」という義務があり、そのことを知らなかった当初は、一度に何人も休む人が出てきて、スケジュールの調整に難渋しました。ただ、この経験で、国内・海外に限らず、文化の異なる人たちと一緒に仕事をする時は、なんでもいいから情報を集めて「まず相手のことを知る」ことが大事だと気づきました。

この仕事に就いて、恵まれていると思った点をおしえてください。

大手IT企業に勤めていたため、いろんなメリットがありました。まず、会社に知名度があったおかげで、顧客への突然の電話や訪問で断られることがほとんどありませんでした。また、IT企業として、コロナ前から積極的にテレワークの導入を進めていたため、仕事もプライベートも時間を有効に使うことができました。さらには、常駐産業医によるメンタル管理、様々なハラスメントの研修、差別問題の研修なども定期的に行われていて、安心して働ける職場環境が作られていました。また、子供が急病の時には、通常の有給休暇とは別に休暇の取得が許されていて、社員のプライベートのことまで考えてくれる会社でした。

この仕事で感動したこと、または失敗したこと・大変だったことのエピソードを教えてください。

今では思い出したくもないエピソードです。私がプロジェクトマネージャに就任した時の話です。

前年プロジェクトが赤字で、当年は黒字にしないとプロジェクトを解散させる、と経営層からお達しがあったタイミングで、前任者が解任され、私がプロジェクトマネージャに就任しました。

実は、その頃、売上・利益は右肩下がりで、黒字にできる見込みはほとんどありませんでした。正に苦難の船出です。黒字にできる名案は思いつかず、結局やったことは、とにかく足で売りに行くことでした。

職場や家に戻る日はほとんどなく、顧客先を訪問する毎日。進捗会議や実際の開発作業は、ホテルの部屋からリモートで行っていました。部下もめいいっぱい協力してくれて、本当にありがたかったです。その結果、かろうじてその年は黒字になり、プロジェクトの解散を免れました。ただ、そのときは感動も何もなく、ただただ安堵しただけでした。

この時の活動が奏功し、翌年度以降は黒字プロジェクトを継続できています。

職場恋愛について教えてください。

私は、職場恋愛で職場結婚ですが、レアケースで、実際は決して多くありません。開発プロジェクトは、黙々と開発するのが主たる業務という特性上、オフィスに来てプログラミングして、一言も会話せずに帰るという人もいるほどです。会話するとしても、直接話すことはなく、ほとんどがテキストメッセージのやりとりです。これでは、なかなか恋愛にはつながりません。

ただ、社内というくくりであれば、それなりにあるようです。職場は違いますが、新入社員研修で仲良くなった人同士がそのまま結婚した、という話はわりとよく聞きます。

この職種全体でのブラックな面・問題点を教えてください。

私の会社ではありませんが、競合企業で、開発が予定通り終わらず、休日出勤、深夜残業は当たり前、しかも、残業代もつかない、というブラックなところがあり、業界で問題になったことがありました。役割分担や発注内容が明確でなく、過剰に下請けに業務を依頼することもあったようです。

この職種全体でのホワイトな面・よい点を教えてください。

私の会社では、最近は、会社側で問題意識を持ち、従業員のメンタル管理、残業時間管理を積極的に行うようになりました。それが功を奏して、以前と比べると、体調不良で休む人が減ってきたように思います。

この職業・業界全体の5年後の展望を教えてください。

これだけ変化の激しい時代に、5年先のことも予想は難しい、というのが正直な思いです。ただ、今後さらにAIの導入が加速すれば、どのようなシステムやソフトウェアでも、AI適用の可能性を探ることになるでしょう。そうすれば、自ずと開発案件は増えてくるものと考えます。

さいごに - 同職業を目指す方へ激励のメッセージ

これからの時代は、手が動かせるプロジェクトマネージャが必要です。まずは、自分の得意な開発スキル、プログラミング言語にハマって、楽しく極めることから始めてください!

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